「同意なく性行為」米兵に懲役2年 司法取引で1年短縮
米軍岩国基地(山口県岩国市)の海兵隊員4人が広島市内で19歳の女性に集団で暴行したとされる事件で、米軍の大軍法会議(判事・チャールズ・ヘイル少 佐)は9日、4人のうちの1人で事件当時19歳だった兵長(20)に対し、懲役2年と不名誉除隊を言い渡した。
同基地によると、ほかの3人の審理で証言するなどの司法取引が行われ、実際の刑期は1年に短縮されるという。また、除隊にあたっては階級が最下級に降格 され、給料や恩給も全額没収される。
捜査側は9日の法廷で懲役10年と不名誉除隊を求刑。兵長は「判決を受け入れる。深く後悔している」と述べた。
9日の量刑言い渡しに先立つ8日の判決では、性的暴行は認めなかったが、「女性が同意していないと知りながら性行為をした」と認定し、不法行為にあたる と判断した。
事件は昨年10月14日未明に発生。広島市中区の歓楽街のイベントで知り合った米兵4人に、約2キロ離れた駐車場に止めた車内で強姦(ごうかん)された として女性が広島県警に被害届を出した。
事件直後に米側は岩国基地内で4人の身柄を拘束。日米地位協定は、米軍が先に容疑者を確保した場合、日本側が起訴するまで米側が身柄を拘束すると定め る。だが、95年に沖縄で起きた米兵による少女暴行事件以降、殺人や強姦などの事件では起訴前の身柄引き渡しに米側が「好意的な配慮を払う」ことが日米間 で合意されており、県警は当初、集団強姦容疑で逮捕状を請求し、米側に4人の身柄引き渡しを求める方針だったが、女性の証言にあいまいな点があったことな どから逮捕状請求を見送り、11月6日に同容疑で書類送検した。
今回の事件は、同協定上、国内で起きた刑法上の犯罪と疑われ、米軍人は統一軍法が適用されることから、日米双方が裁判権を有していた。こうした場合、ど ちらが優先的に裁判権を行使できるかも定められており、今回は米軍人の公務中の事件、事故などに当たらないため、日本側の裁判権が優先されるケースだっ た。
しかし、広島地検は同月15日に嫌疑不十分で不起訴処分にした。地検は処分の理由を明らかにしていないが、女性が1人目の米兵との性行為に同意した と認めたことなどから、公判維持が困難と判断したとみられる。
日本側が行使しなかった裁判権は米側に移行し、米海軍犯罪捜査局(NCIS)が捜査に乗り出した。
同局は捜査過程で、広島県警などから供述調書といった捜査資料の提供も受けている。これも、同協定が犯罪の証拠について「相互に援助しなければならな い」と定めることが根拠だった。その後、4人は予備審問を経て、今年3月に性的暴行などの罪で起訴され、軍隊内の重罪を裁く大軍法会議にかけられた。
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